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西尾康之展「優麗」

Yasuiyuki NISHIOYasuyuki NISHIO

 

 

 

西尾康之の2年ぶりの個展となります「優麗」ではそのタイトルのとおり「ユウレイ」、優美で麗しい「幽霊」を発表いたします。
仏壇の前に現れた少女の幽霊、洋館でポーズをとるブーツ姿の女の霊。西尾の描く幽霊は日本において一般化されているオドロオドロしい「足のない幽霊」ではなく、永遠の若さを手に入れた女が、それを見せびらかすように自慢の衣装に身を包み、ポーズをとり、私たちに迫ってきます。その堂々たる態度は生きている人間以上の存在感を持っていますが、そんな彼女たちの振る舞いとは逆に彼女たちは「死んで」いるのです。そのギャップ、墨の濃淡のみで表現された力強い画面に今までの幽霊画と違った恐怖と身震い、そして美しさを覚えます。また、彼女たちだけでなく、その後ろに描かれた風景は、その内面ム内臓を彷彿させます。
更に、陰刻鋳造による立体作品の「優麗ム幽霊」も併せて発表する予定です。西尾康之の類い稀な世界観から創造された「ユウレイ」、是非ご高覧いただきますようお願い申し上げます。

 

 

 


 

恐ろしい物に人一倍敏感なわたし。恐怖映画を見ただけで数日間不眠症になるほどのダメージを受け、果てには幻覚を見て本物の幽霊遭遇に近い事態に陥ります。
しかし、その自己内の鮮烈な反応はその深部に快楽の予感があって、恐ろしい物を逆に追い求めてしまうのでした。
今回は恐怖の象徴である幽霊の類を意図的に私の内部に受け入れて、恐怖が快楽に逆転する瞬間を探ります。

西尾康之
2006年9月

 

 

 

Yasuyuki NISHIO

 

 

 

Yasuyuki NISHIO