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宇治野宗輝展「TRANSCRIBED」

UJINO

 

 

 

わたくしども山本現代では、2011年5月21日から6月18日まで、
宇治野宗輝(うじのむねてる) 個展「TRANSCRIBED」を開催致しますのでご案内申し上げます。

国内ギャラリーでは2004年以来約7年ぶり、私ども山本現代では初の個展となる本展覧会では、近年の代表的なプロジェクトである「The Rotators」の新作を中心に、宇治野が物質世界のリサーチとして続けてきた独自の探究を、さらに展開した最新作を展示いたします。

宇治野宗輝は、1960年代後半、練馬にあった自宅から近い大通りに行き来する米軍居住地区のアメリカ車を見て育ちました。当時のお気に入りはムスタング。アメリカ文化と自動車・機械産業の影響、そして日本にとっての欧米文化のイメージは宇治野の作品を語るには欠かせないものであり、これが彼のいう美術を通しての「物質文明のリサーチ」が始まるきっかけでした。
90年代には、装飾されたトラック、いわゆるデコトラに多用される電飾や、電動ドリルなどの本来楽器とは関係のない電気製品を用い、「LOVE ARM(ラブアーム)」シリーズをはじめとするサウンドスカルプチャーを制作し、数々のライブパフォーマンスを披露してきました。
また、サウンドスカルプチャーの発展形として2004年から取り組んでいるプロジェクト「The Rotators」では、ごく一般的なターンテーブルを改造し、細工を施したレコード盤を載せたコントロールユニットである「ローテーターヘッド」と、それに接続された一連のモーター駆動の家電製品による自動リズム演奏装置を制作しています。使用される家電製品はヘアドライヤーからジューサー、電動ドリルなど多岐にわたり、これらがダイニングテーブルなどの上に配置され、さらに電球や家庭用ランプなどの照明が全体を飾ります。これらのパーツは既に製品として成熟し世界各国で入手可能なもので、海外で作品を発表する際にはほとんどが現地で調達されています。この「The Rotator」シリーズは、宇治野によるパフォーマンスとともに高い評価を得て、宇治野の海外での活動のきっかけとなりました。

こうした宇治野の作品には、未来派の芸術家・音楽家であるルイージ・ルッソロや、工業製品とジャンクに埋め尽くされはじめた社会を人間にとっての新たな環境ととらえ、工業化社会における自然主義的な視点で時代のリアリティを見いだそうとした、ネオダダのような影響を見いだすことができるかもしれません。しかし、その後工業化社会の成熟とともに到来し、世界をかつてない規模で席巻していったのは狂乱の大量消費社会でした。その時代の最中に育った宇治野による作品は、20世紀を総括しながら、21世紀に入った今ではすでに崩壊を迎えている消費文化において産み落とされ、完成した数々の製品をつなぎあわせ、戦後日本でアメリカ文化の多大なる影響下に育った作家独自の視点で「大量消費社会の自然主義」ともいえる世界観を批評的に構築していくものです。
約7年ぶりとなる今回の個展では、「The Rotators」の新作とともに、2つの新プロジェクトを発表いたします。「The Rotators」最新作は、作品のクレートそのものを各パーツの設置ベースとし自己収納型とすることにより、ドメスティック(国内の、家庭の)なコンテクストを抜き取った均質なシステムへと進化させたものとなります。
現在制作中の新シリーズは、戦後アメリカの影響下で日本社会がいわゆる近代化の真っただ中にあった時代の、米国製品やアメリカ文化のイメージをもとにした平面作品や、それらにトラックライトをはじめとする装飾部品を組み合わせた一連の立体作品となる予定です。また、戦後のアメリカ・日本の製品にみられる植物をモチーフとした装飾に注目し、それらを組み合わせて新たな自然ともいえる環境を構築するインスタレーションもあわせて発表いたします。

近年は海外を中心に活動を続けてきた宇治野宗輝が、満を持して国内で発表する本展に、どうぞご期待ください。

 

 

 

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