Previous Exhibition.gif

Artist:

松井えり菜展「わびさびウートピア」

Erina MATSUI

Erina MATSUI

 

 

 

わたくしども山本現代では、来る2012年8月25日(土)から9月21日(金)まで、
松井えり菜 個展「わびさびウートピア」を開催する運びとなりましたのでご案内申し上げます。

松井えり菜は、一貫して自らの顔をモチーフとし、自画像というジャンルの境界線上で自在に活動をつづけてきました。彼女にとって自らの作品は、見る者とある種の体験を共有し、コミュニケーションをはかる手段であるといいます。その自画像作品において滑稽なほどに激しくゆがめられた松井の顔は、彼女自身の自己存在へと向かう視座とともに、彼女をとりまく世界とのつながりをとらえるがごとく、背景に描かれる海へ、森へ、空へと広がるように描かれ、時には宇宙にまで突き抜けてゆきます。そしてわたしたちは、目線を画面全体に誘導するように配置されたオモチャやかわいいキャラクターたちに目を向けているうち、いつの間にか松井の描くスペクタクルに引き込まれていることに気づきます。これらはまさに松井がキャンバス中にちりばめた、見る者との距離を縮めるための巧妙な仕掛けなのです。

若干20歳で制作した「エビチリ大好き」(2004)でGEISAI#6で金賞を受賞後、2005年にカルティエ現代美術財団でのグループ展に参加し華々しい国際デビューを飾ってから7年。国内外の数々の展覧会に出展し、その活動は作品制作にとどまらず、企業とのコラボレーションや展覧会のキュレーションにまで拡がっています。

また、本年初頭には、大原美術館(岡山県倉敷市)において個展「サンライズえり菜—大原美術館をおもちゃ箱—」が開催されました。同美術館のコレクション構築に多大なる貢献をおこなった画家・児島虎次郎が張り子で額を制作していたのにならい、自作のための巨大額を制作、またエル・グレコの名作「受胎告知」に自身の自画像を対峙させるなど、故郷・倉敷での凱旋に意欲的な取り組みを見せ、好評を博しました。

本展「わびさびウートピア」では、この大原美術館での個展のために制作した作品のなかから選んだ平面・立体数点に、タコを描いた新作「パンドラの壺」(仮題)と備前焼立体作品を加え、もはや十八番ともいえる松井ワールド全開のインスタレーションを展開します。今夏からは、さらに活動の可能性を拡げるべく、ドイツ・ベルリンでのレジデンス参加も決定している松井。技術・世界観ともに着実な成熟をみせる最近作の展示に、どうぞご期待ください。

 

 

 

Erina MATSUI

 

 

 

Erina MATSUI

 

 

 

Erina MATSUI

 

 

 

Erina MATSUI

 

 

 

Erina MATSUI

 

 

 

Erina MATSUI

 

 

 

Erina MATSUI