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今津景展「PUZZLE」

Kei IMAZU

Kei IMAZU

 

 

 

今津景は多摩美術大学美術学部絵画学科油画専攻卒業、同大学大学院美術研究科修了、在学中より国内のギャラリーを中心に作品を発表し、今年は第5回絹谷幸二賞奨励賞を受賞。近年ではアジアでの展覧会に出展するなど精力的に活動を続けております。

今津はインターネット上の画像、雑誌の中の写真、自身の生活空間にある家具やスクラップなど、互いに所在を共有し得なかった様々なモチーフをコンピューター上で再構築し、絵画に落とし込むことで仮想世界を実体化してまいりました。
前回、山本現代で開催いたしました今津景個展「フラッシュ」(2010年)では鮮やかな色彩と極端なコントラストにより、光そのものへの認知が先立ち、崩壊した建物や災害を連想させるガラクタなど、背景に描かれた悲惨な状況への理解が二次的に生ずるという見る側の知覚を浮き彫りにし、平面の二層化を試みました。

今回の個展「PUZZLE」ではドラクロワの『サルダナパールの死』、マネの『草上の昼食』、広重の『東海道五十三次』など、過去に描かれた絵画より構図を引用し、その上に様々なモチーフを配置することで、各原作が持つ意味の変換を試みます。
『サルダナパールの死』は元来アッシリア王サルダナパールが反乱軍によって滅ぼされる情景を描いた絵画ですが、本展で展示される同タイトルの作品には人物が描かれておらず、原作の構図に沿いコンクリートブロックや木片などの廃材が画面内に散在しています。これはアッシリア王の惨劇を現代のカタストロフィーに置き換えたと解釈することも出来ますが、あえてデッサンの整合性を無視し色として置かれたモチーフからは、線よりも色の配置で構成されたドラクロワ絵画の特徴を暗示していることも読み取れます。
ジェフ・ウォールも、マニエリスム的なアプローチとして既存の名画をリメイクするシリーズを実際のセットを用い写真にしておりますが、今津はインターネット上からモチーフを拾い出し、今一度そのイメージを「絵画」のサブジェクトに戻す試みをしていると言えます。

この度展示いたします新作は、歴史的絵画を1つのレイヤーとして自身の作品に加え再編成することで、本来持っていた意味をリセットし、構図・彩色といった技法的側面を顕在化、また新たに並べられたモチーフより生ずる意味合いを模索しています。

 

 

 

Kei IMAZU

 

 

 

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